問題番号 : 115A40

70歳の男性。肝腫瘍に対する肝切除術後,ICUに入室した。入室時の脈拍は80/分,整,血圧は150/84mmHgであった。翌日,朝8時に胸部不快感と強い悪心を訴えた。その後不穏状態となり,顔色は不良,全身に発汗を認める。体温37.5℃。脈拍68/分,整。血圧は80/48mmHg。SpO2 94%(マスク5L/分 酸素投与下)。心音にⅣ音を聴取し,呼吸音は両側でwheezesを聴取する。四肢末梢に冷感を認める。術前の心電図(A)及び胸部症状出現時の心電図(B)を下に示す。ベッドサイドの心エコー検査で左室前壁と下壁に壁運動低下を認めた。
 速やかに行うべきなのはどれか。

正解
b
国試正答率
88%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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