問題番号 : 115A28

72歳の女性。嗄声を主訴に来院した。20年前から声がかれて歌を歌えず,高い声を出せなかった。声質は悪化していないが,2か月前から階段を上る時に息苦しくなることが数回あったため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は40歳から10本/日。飲酒は同時期から週1~2回,缶ビール(350mL)1本。身長153cm,体重56kg。体温36.3℃。脈拍70/分,整。血圧136/66mmHg。呼吸数24/分。SpO2 97%(room air)。頸部に腫瘤を触知しない。尿検査,血液検査および胸部エックス線検査に異常を認めない。
 下に示す喉頭内視鏡像の中で,この患者の内視鏡像として適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
75%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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