問題番号 : 115A19

63歳の男性。呼吸困難と発熱を主訴に来院した。1か月前から乾性咳嗽があり,息苦しさが出現,次第に悪化してきたため受診した。1週前から37℃台前半の発熱が続いている。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴やペット飼育歴はない。昨年,築50年の木造建築,日当たりの悪い家に転居し,初めての夏である。体温37.7℃。呼吸数24/分。SpO2 94%(room air)。胸部の聴診でわずかにfine cracklesを聴取する。胸部単純CTを下に示す。血液検査ではTrichosporon asahii特異抗体が陽性であった。
 誤っているのはどれか。

正解
c
国試正答率
93%

Assessment
Step1 63歳男性 呼吸困難と発熱

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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