問題番号 : 114F62

本問は,114F60~62の連問の一部です。

 77歳の男性。全身倦怠感と物忘れを主訴に来院した。
現病歴:高血圧症で内服加療中。半年前から食後の全身倦怠感が出現した。またほぼ同時期からときどき物を置いた場所がわからなくなるようになった。その後も症状は持続し,不安,不眠および食欲低下が出現し,3か月で2kgの体重減少があった。立ち上がり時や歩行時にふらつきの自覚はなかったという。
既往歴:30歳時に虫垂炎で虫垂切除術。
生活歴:妻と2人暮らし。65歳で退職。日常生活は自立しているが,症状出現後は外出機会が減少した。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。几帳面な性格である。2か月前に運転免許証を自主返納した。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長165cm,体重58kg。体温36.0℃。脈拍76/分,整。血圧126/66mmHg。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。神経診察で下肢筋力低下を認める。
検査所見:尿所見:蛋白(-),潜血(-)。血液所見:赤血球413万,Hb 13.3g/dL,Ht 38%,白血球4,500,血小板22万。血液生化学所見:総蛋白6.3g/dL,アルブミン3.8g/dL,AST 20U/L,ALT 18U/L,CK 53U/L(基準30~140),尿素窒素22mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,空腹時血糖94mg/dL,HbA1c 5.8%(基準4.6~6.2),Na 140mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 105mEq/L,TSH 1.56 μU/mL(基準0.2~4.0),FT3 2.3 pg/mL(基準2.3~4.3),FT4 1.3 ng/dL(基準0.8~2.2)。CRP 0.04mg/dL。頭部MRIで軽度の脳萎縮と両側大脳半球白質や視床に軽微な慢性虚血性変化を認める。脳の主幹動脈に有意狭窄や動脈瘤を認めない。
 追加検査で抑うつ傾向と四肢筋量と骨量の低下が認められた。
 この患者に対する適切な対応はどれか。2つ選べ

正解
a, c
国試正答率
89%

Assessment
①高齢男性の全身倦怠感と物忘れ ⇒ うつ(仮性認知症)以

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る