問題番号 : 114E41

本問は,114E41~42の連問の一部です。

 72歳の男性。下腹部痛を主訴に来院した。
現病歴:10年前から高血圧症で通院中であり,降圧薬による内服療法を受けている。1か月前から動悸を伴う心房細動が出現し,抗不整脈薬と抗凝固薬の処方も受けていた。昨日昼から尿が出ず,下腹部が張ってきていたが様子をみていた。今朝,下腹部の痛みで目覚め,症状が増悪するため受診した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙歴は20本/日を40年間。飲酒は日本酒1~2合/日。
家族歴:父親が68歳時に胃癌で死亡。
現 症:意識は清明。身長165cm,体重61kg。体温36.9℃。脈拍52/分,不整。血圧142/94mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心尖部を最強点とするⅡ/Ⅵの収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は下腹部が膨隆し,圧痛を認める。下腿浮腫は認めない。腹部超音波検査で膀胱容積は拡大しており,尿道カテーテルを一時的に留置することとした。
 外来での処置中,検査室から「パニック値が出ているので,検査結果を至急報告します」との連絡があった。
検査所見:尿所見:蛋白2+,糖(-),潜血2+,沈渣は赤血球30~50/HPF,白血球1~4/HPF,細菌(-)。血液所見:赤血球450万,Hb 13.2g/dL,Ht 42%,白血球8,200,血小板24万,PT-INR 1.9(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL,AST 44U/L,ALT 20U/L,尿素窒素68mg/dL,クレアチニン3.8mg/dL,血糖136mg/dL,Na 134mEq/L,K 7.2mEq/L,Cl 106mEq/L,Ca 8.4mg/dL。CRP 1.2mg/dL。
 カテーテル留置で正しいのはどれか。

正解
c
国試正答率
97%

Assessment
①72歳の男性 ⇒ 高齢者に出現しやすい病態を示唆
②下

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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