問題番号 : 114D69

65歳の女性。昨日,腰椎固定術を腹臥位で施行された。朝食のため看護師がベッドを座位にしたところ,突然患者が呼吸困難と胸痛を訴え意識レベルが低下した。気管挿管されICUに入室し人工呼吸を開始した。身長152cm,体重70kg。心拍数130/分,整。血圧80/40mmHg。血液所見:赤血球352万,Hb 10.4g/dL,Ht 32%,白血球10,400,血小板16万,PT-INR 1.1(基準0.9~1.1),APTT 31.5秒(基準対照32.2),Dダイマー30.6 μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白5.0g/dL,アルブミン2.8g/dL,AST 80U/L,ALT 56U/L,LD 276U/L(基準120~245),γ-GT 85U/L(基準8~50),CK 30U/L(基準30~140),尿素窒素10mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL。CRP 0.8mg/dL。心筋トロポニンT陰性。心電図で洞性頻脈を認める。動脈血ガス分析(人工呼吸,FIO2 0.8):pH 7.39,PaCO2 39Torr,PaO2 95Torr,HCO3 24mEq/L。胸部エックス線写真で肺野に明らかな異常陰影を認めない。
 確定診断のために必要な検査はどれか。2つ選べ

正解
c, d
国試正答率
93%

Assessment
①65歳の女性 ⇒ 高齢者の疾患
②腰椎固定術の翌日 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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