問題番号 : 114D67

 79歳の男性。発熱,咳嗽および呼吸困難を主訴に来院した。3日前からの食思不振,発熱,咳嗽および喀痰が出現したため受診した。昨夜は呼吸困難も加わり眠ることができなかったという。意識は清明。体温38.5℃。脈拍108/分,整。血圧96/54mmHg。呼吸数32/分。SpO2 91%(room air)。左下側胸部にcoarse cracklesを聴取し,胸部エックス線写真で左下肺野に浸潤影を認める。酸素投与と生理食塩液の静脈内投与を開始した。
 治療方針の決定のためまず行う検査はどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
89%

Assessment
①79歳の男性
②3日前からの食思不振,発熱,咳嗽,喀痰

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る