68歳の男性。全身倦怠感と体重減少を主訴に来院した。6か月前から5kgの体重減少と2か月前からの全身倦怠感が著明になったため受診した。身長164cm,体重44kg。脈拍72/分,整。血圧104/70mmHg。意識は清明。眼瞼結膜は貧血様である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。両下肢に浮腫を認める。尿所見:蛋白3+,糖(-),潜血1+,沈渣は赤血球5~9/HPF。随時尿の尿蛋白/Cr比は4.6g/gCr(基準0.15未満)。血液所見:赤血球300万,Hb 10.7g/dL,Ht 31%,白血球7,800,血小板28万。血液生化学所見:総蛋白5.5g/dL,アルブミン3.1g/dL,IgG 764mg/dL(基準960~1,960),IgA 100mg/dL(基準110~410),IgM 42mg/dL(基準65~350),尿素窒素23mg/dL,クレアチニン1.6mg/dL,HbA1c 5.6%(基準4.6~6.2),総コレステロール200mg/dL。免疫血清学所見:MPO-ANCA陰性,PR3-ANCA陰性,抗核抗体陰性。尿免疫電気泳動でM蛋白を認める。血清遊離軽鎖κ/λ比0.01(基準0.26~1.65)。心電図は低電位である。腹部超音波検査で腎の腫大が認められる。心エコー検査で軽度の左室壁肥厚を認める。
腎病変の原因として,考えられるのはどれか。