問題番号 : 114C62

本問は,114C60~62の連問の一部です。

 46歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。
現病歴:3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から38.0℃の発熱を認めているため,本日の朝に診察を行った。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。
家族歴:父親が膵癌のため68歳で死亡。
現 症:意識レベルはJCSⅠ-1,GCS 15(E4V5M6)。身長155cm,体重48kg。体温37.2℃。脈拍112/分,整。血圧78/40mmHg。呼吸数28/分。SpO2 94%(room air)。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し,coarse cracklesを聴取する。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。
検査所見:血液所見:赤血球388万,Hb 11.2g/dL,Ht 36%,白血球9,800(桿状核好中球39%,分葉核好中球45%,好酸球3%,好塩基球2%,単球4%,リンパ球7%),血小板18万,Dダイマー3.4 μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL,アルブミン2.9g/dL,尿素窒素21mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,Na 139mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 108mEq/L。CRP 12mg/dL,乳酸14mg/dL(基準5~20)。胸部エックス線写真を別に示す。血液培養2セットからKlebsiella pneumoniaeが検出された。
 抗菌薬治療を開始した。
 効果判定にまず用いるべき指標はどれか。

正解
a
国試正答率
67%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る