本問は,114B43~44の連問の一部です。
65歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。
現病歴:午前8時に農作業に行くと家族に伝えて外出した。昼食の時間になっても帰宅しないため家族が様子を見に行ったところ,ビニールハウス内で倒れているのを発見し,救急車を要請した。
現 症:救急車からの予備情報によると,意識レベルはJCSⅢ-200。体温39.2℃。心拍数144/分,整。血圧82/40 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下)。
家族への病歴聴取や身体診察,検査を行った結果,以下の結果が得られた。
現病歴:作業に出かけるまでは,特に普段と変わりがなかった。朝食も普段通り摂取していた。家族が様子を見に行った際には,ビニールハウスの中はかなり暑くなっていた。
既往歴:50歳時から2型糖尿病と高血圧症で通院して投薬を受けている。
生活歴:喫煙は20本/日を40年間。飲酒はビール350mL/日を40年間。
家族歴:父が心筋梗塞。
現 症:意識レベルはJCSⅢ-200。体温39.0℃。心拍数138/分,整。血圧84/46mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99%(鼻カニューラ3 L/分酸素投与下)。瞳孔は両側3mmで対光反射は両側とも迅速。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。頸部リンパ節は触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。腱反射に異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白1+,糖(-),ケトン体(-)。血液所見:赤血球610万,Hb 17.2g/dL,Ht 60%,白血球10,800(分葉核好中球80%,好酸球1%,好塩基球1%,単球8%,リンパ球10%),血小板42万。血液生化学所見:総蛋白9.0g/dL,アルブミン5.2g/dL,総ビリルビン0.8mg/dL,AST 20 U/L,ALT 13 U/L,LD 350 U/L(基準120~245),尿素窒素53mg/dL,クレアチニン1.8mg/dL,血糖153mg/dL,Na 166mEq/L,K 4.8mEq/L,Cl 120mEq/L。CRP 0.2mg/dL。
まず投与すべきなのはどれか。