2か月の男児。嘔吐を主訴に母親に連れられて来院した。前日から嘔吐があり,自宅近くの診療所を受診し,腹部の腫瘤を指摘されたため紹介されて受診した。身長57cm,体重5,360g。意識は清明。体温36.8℃。心拍数100/分,整。血圧76/40mmHg。呼吸数24/分。眼瞼結膜は軽度貧血様である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨満しており,左下腹部に径約10cmの硬い腫瘤を触知する。血液所見:赤血球304万,Hb 9.1g/dL,Ht 26%,白血球7,400,血小板40万。血液生化学所見:総蛋白5.6g/dL,総ビリルビン2.6mg/dL,直接ビリルビン0.9mg/dL,AST 54 U/L,ALT 25 U/L,アミラーゼ13 U/L(基準37~160),尿素窒素6mg/dL,クレアチニン0.2mg/dL。CRP 0.1mg/dL,尿中バニリルマンデル酸〈VMA〉645mg/gCr(基準4.5~12.7)。腹部単純MRIの脂肪抑制T2強調水平断像(A)及び冠状断像(B)を別に示す。
この患児が予後良好と考えられる根拠となる因子はどれか。