問題番号 : 114A39

44歳の女性。左下肢の腫脹を主訴に来院した。1年前から発熱と口腔内や陰部に痛みを伴うびらんと潰瘍,移動性の関節痛,下腿から足部の頭尾方向に延びる発赤を伴う有痛性皮疹を繰り返していた。3週前から左下腿の腫脹,疼痛が出現し改善しないため受診した。意識は清明。身長158cm,体重45kg。体温39.9℃。脈拍100/分,整。血圧96/60mmHg。口唇粘膜にアフタ性口内炎を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。表在リンパ節の腫大を認めない。左下腿から足関節部にかけて軽度の熱感を認める。四肢関節に腫脹や圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-),潜血(-),白血球3+。検査所見:赤沈73mm/1時間。血液所見:赤血球354万,Hb 9.1g/dL,Ht 28%,白血球8,400(桿状核好中球5%,分葉核好中球67%,好酸球1%,単球10%,リンパ球17%),血小板36万,PT-INR 1.2(基準0.9~1.1),APTT 27.8秒(基準対照32.2),フィブリノゲン525mg/dL(基準186~355),Dダイマー4.1 μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL,アルブミン2.3g/dL,AST 14 U/L,ALT 11 U/L,LD 144 U/L(基準120~245),尿素窒素9.1mg/dL,クレアチニン0.4mg/dL,CK 51 U/L(基準30~140)。CRP 12mg/dL。両下肢の写真(A)及び鼠径部の造影CT(B)を別に示す。
 最も考えられるのはどれか。

正解
a
国試正答率
85%

Assessment
Step1 44歳の女性 左下肢の腫脹

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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