問題番号 : 113F56

1歳の男児。停留精巣の手術のため手術室に入室した。麻酔はマスクで酸素と揮発性吸入麻酔薬を投与し,ゆっくりと入眠させる緩徐導入で行った。静脈路を確保し,気管挿管のため筋弛緩薬を静注したところ,突然心拍数が120/分から160/分に増加した。気管挿管時に開口障害があり,気管チューブの挿入に難渋した。人工呼吸開始後に尿道カテーテルを挿入したところ,赤褐色の尿が排出された。その後体温は急上昇し37.0℃から40.0℃になった。動脈血ガス分析で代謝性アシドーシスを認めた。
 最も考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
81%

Assessment
①1歳の男児,停留精巣の手術 ⇒ おそらく予定定時手術で

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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