問題番号 : 113F48

70歳の女性。胸背部痛のため救急車で搬入された。自宅で家事中に突然,胸背部痛を訴え,その後意識が低下したため夫が救急車を要請した。健診で血圧が高いと指摘されたことがある。ADLは自立しており,発症前の状態はいつもと変わりなかった。搬入時,意識レベルはJCSⅢ-100。心拍数100/分,整。上肢の血圧は計測不能。下肢の血圧は70mmHg(触診)。呼吸数30/分。SpO2計測不能。頸静脈の怒張を認める。橈骨動脈は両側とも微弱にしか触知しないが,両側頸動脈と両側大腿動脈は触知する。胸部聴診でⅠ音とⅡ音が減弱している。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。四肢に網状皮斑を認める。
 最も優先される検査はどれか。

正解
b
国試正答率
57%

Assessment
①70歳女性の意識低下を伴う突然の胸背部痛,発症前は通常

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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