問題番号 : 113E45

本問は,113E44~45の連問の一部です。

 46歳の女性。腹痛のため救急外来を受診した。
現病歴:2日前の起床時から軽度の心窩部痛があった。朝食は普段どおりに食べたが,その後食欲不振と悪心が出現し,昨日の昼食後に嘔吐した。本日,心窩部痛はなくなったが右下腹部痛が出現した。疼痛は食事で増悪しないが,歩くとひびき,疼痛が持続するため救急外来を受診した。悪寒戦慄はなく,下痢や黒色便を認めない。排尿時痛や血尿を認めない。3日前にバーベキューをしたが,同様の症状を呈した人は周りにいない。
既往歴:20歳時にクラミジア感染。
生活歴:喫煙は20本/日を26年間,飲酒はビールを350mL/日。初経13歳,月経周期は28日型,整。最終月経は2週間前。不正性器出血はない。
現 症:意識は清明。身長154cm,体重65kg。体温37.6℃。脈拍92/分,整。血圧110/62mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。McBurney点に圧痛があり,反跳痛を認める。Psoas徴候は陰性。
検査所見:尿所見:異常なし。血液所見:赤血球394万,Hb 11.5g/dL,Ht 36%,白血球5,300(桿状核好中球6%,分葉核好中球56%,単球10%,リンパ球28%),血小板30万。血液生化学所見:尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,血糖86mg/dL,Na 139mEq/L,K 3.9mEq/L,Cl 105mEq/L。CRP 4.0mg/dL。妊娠反応陰性。心電図,胸部・腹部エックス線写真に異常を認めない。
 急性虫垂炎の診断のためAlvarado scoreを使用することとした。点数別の感度・特異度を以下に示す。
 解釈として正しいのはどれか。

正解
c
国試正答率
95%

Assessment
⑨McBurney点に圧痛,反跳痛,Psoas徴候陰性

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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