問題番号 : 113D53

72歳の男性。右肺腺癌に対して右下葉切除術および縦隔リンパ節郭清術を行った。手術時間2時間40分。出血量80mL。手術中のバイタルサインに異常を認めなかった。術前の全身状態は良好で,心機能に異常を認めなかった。入院前は20本/日を50年間喫煙していた。呼吸機能検査はVC 3.51 L,%VC 102%,FEV1 2.20 L,FEV1% 65%であった。帰室直後の体温37.2℃。脈拍64/分,整。血圧128/68mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(リザーバー付マスク8L/分 酸素投与下)。血液所見:赤血球383万,Hb 11.2g/dL,白血球6,800,血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL,アルブミン3.0g/dL。胸腔ドレーンのウォーターシールから呼気のたびに気泡が見られる。排液は少量である。
 術後の指示として正しいのはどれか。

正解
e
国試正答率
86%

Assessment
①右下葉切除術および縦隔リンパ節郭清 ⇒ 標準術式後

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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