問題番号 : 113C62

本問は,113C60~62の連問の一部です。

 52歳の男性。歩行時の胸痛を主訴に来院した。
現病歴:1週間前から階段を昇ったときに前胸部痛を感じていた。前胸部痛は下顎にも放散し,安静にすると1分程度で消失していた。4日前から平地歩行でも胸痛が出現。今朝からは安静時にも2~3分続く症状が出現するようになったため,家族に付き添われて来院した。
既往歴:3年前から高血圧症で,カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬を内服中。
生活歴:喫煙は15本/日を30年間。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父親が脂質異常症。
現 症:身長168cm,体重88kg。脈拍72/分,整。血圧136/78mmHg。呼吸数28/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球450万,Hb 14.5g/dL,Ht 42%,白血球6,800,血小板25万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL,アルブミン4.0g/dL,AST 25U/L,ALT 20U/L,尿素窒素15mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,総コレステロール280mg/dL,トリグリセリド150mg/dL,HDL コレステロール54mg/dL,CK 128U/L(基準30~140),尿酸6.6mg/dL。心電図で洞調律,心拍数84/分,整。V1,V2,V3,V4に軽度のST低下を認める。
 冠動脈ステント留置術が行われた。
 これまでの内服に加えて,追加投与が必要な薬剤はどれか。2つ選べ

正解
a, d
国試正答率
74%

Assessment
①歩行時の胸痛,1週間前から階段を昇ったときに前胸部痛を

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る