本問は,113B42~43の連問の一部です。
79歳の女性。上腕から背中の痛みとこわばりを主訴に来院した。
現病歴:2週間前に,両側上腕から背中にかけての痛みとこわばりが出現した。1週間前から右側の拍動性の頭痛を自覚している。また,夕方から夜にかけて38℃台の発熱があった。起床時に背中のこわばりがひどく,寝返りができないため受診した。2週間で体重が1.5kg減少した。悪心,嘔吐はなく,四肢のしびれや脱力はない。
既往歴:高血圧症で内服治療中。片頭痛の既往はない。
生活歴:独居生活。喫煙歴と飲酒歴はない。
現 症:意識は清明。体温38.9℃。脈拍104/分,整。血圧142/80mmHg。呼吸数14/分。眼瞼結膜は貧血様である。右側頭部に索状の腫脹と圧痛を認めるが,皮疹は認めない。項部硬直はなく,頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。圧痛や腫瘤を認めない。ばち指,Osler結節および下腿浮腫を認めない。両側の上腕に把握痛を認める。関節に腫脹と圧痛を認めない。
検査所見:赤沈102mm/1時間。血液所見:赤血球301万,Hb 9.6g/dL,Ht 29%,白血球9,800,血小板47万。血液生化学所見:総蛋白5.9g/dL,AST 29U/L,ALT 28U/L,LD 321U/L(基準176~353),CK 38U/L(基準30~140),尿素窒素18mg/dL,クレアチニン0.7mg/dL,血糖102mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.9mEq/L,Cl 100mEq/L。免疫血清学的所見:CRP 8.6mg/dL,リウマトイド因子〈RF〉陰性,抗核抗体陰性,CH50 52U/mL(基準30~40)。胸部エックス線写真で異常を認めない。
まず確認すべきなのはどれか。