問題番号 : 113B27

26歳の男性。胸痛を主訴に来院し入院した。出張で午前中に飛行機に乗っていたところ,右肩に軽い痛みが出現した。到着後の空港で歩行中に呼吸困難を自覚し,その後も症状が持続したため,近くの病院を受診した。精査の結果,自然気胸の診断で入院となり,胸腔ドレーンが挿入され持続吸引ドレナージが行われた。
 翌朝,担当医が診察したところ,胸腔ドレーンが前日より20cm程度抜け,ドレーン先端から5cm程度が体内にとどまっている状態であった。患者は呼吸困難を訴えず,呼吸数16/分,SpO2 99%(room air)である。
 まず行うべき対応はどれか。

正解
c
国試正答率
53%

Assessment
①26歳の男性,胸痛,呼吸困難,自然気胸と診断
②持続吸

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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