問題番号 : 113A67

64歳の女性。歩行困難のため救急車で搬入された。1週間前から歩きづらさを自覚していた。本日起床してから歩行不能となったため救急車を要請した。60歳時に右乳癌で右乳房切除術。生活歴および家族歴に特記すべきことはない。搬入時,意識は清明。体温36.3℃。心拍数72/分,整。血圧114/62mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。徒手筋力テストで両下肢筋力は0~1。腋窩以下体幹と両下肢に感覚障害があり,上位胸椎棘突起に叩打痛を認める。血液所見:赤血球413万,Hb 12.0g/dL,白血球7,200,血小板27万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL,アルブミン4.2g/dL,尿素窒素13mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,AST 40U/L,ALT 24U/L,LD 768U/L(基準176~353),ALP 997U/L(基準115~359),Na 144mEq/L,K 4.8mEq/L,Cl 105mEq/L。CRP 1.4mg/dL。胸椎エックス線写真(A),頸胸椎MRIのT2強調矢状断像(B)及び第3胸椎レベルの水平断像(C)を別に示す。
 まず検討すべきなのはどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
46%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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