問題番号 : 113A33

38歳の女性。前胸部のつかえ感を主訴に来院した。2年前から食事摂取時に前胸部のつかえ感を自覚していたが,1か月前から症状が増悪し十分な食事摂取が困難になったため受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長155cm,体重44kg。血液所見:赤血球398万,Hb 12.9g/dL,白血球6,300,血小板19万。血液生化学所見:総蛋白7.1g/dL,アルブミン4.2g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 22U/L,ALT 19U/L,LD 195U/L(基準176~353),クレアチニン0.8mg/dL,血糖88mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.3mEq/L,Cl 100mEq/L。上部消化管内視鏡像(A)及び食道造影像(B)を別に示す。
 この患者でみられる可能性が低いのはどれか。

正解
d
国試正答率
56%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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