問題番号 : 112F77

本問は,112F75~77の連問の一部です。

  49歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。
現病歴 2か月前から夕方の買い物中にボーッとなって近くの医療機関を受診し点滴を受けて帰宅することが3回あった Holter心電図で異常はなく,脳波検査と頭部CTとを受けたが結果はまだ聞いていないという。 本日夜,自宅で倒れているのを見つけた夫が救急要請し,総合病院の救急外来に搬入された。
既往歴(夫からの情報) 特記すべきことはない。月経はよく分からない。持参していた特定健診(3週間前受診)のデータ:Hb 11.4g/dL,白血球3,100,血糖68mg/dL,Na 132mEq/L。
生活歴:専業主婦。夫と2人暮らし。大学生の子ども2人とは別居。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:閉眼したままで呼びかけには反応しないが,痛み刺激には反応がある。身長156cm。体重は測定不能だが,夫によると「少し痩せてきたかなぁ」という。脈拍76/分,整。血圧102/56 mmHg。胸部や腹部に異常を認めない。手足は時折動かし,麻痺や弛緩は認めない。 簡易測定した血糖値が35mg/dLであったので,20%ブドウ糖液20mLを静注したところ,3分後には呼びかけに応じ座位が取れるようになった。経過観察と精査を目的に入院になった
追加情報(本人の意識回復後に聴取した内容):2回の出産後,月経は正常に戻ったが最近は少し不順気味である。 魚油系のサプリメントを服用しているが常用薬はない。2年に1度,家族で海外旅行に行っており,直近は1年前にアメリカ西海岸を訪れた。犬を10年以上室内で飼っている。体重はこの1年で5kg減って48kgである。
その後の経過:ブドウ糖液静注後,意識障害は改善し再度の悪化を認めなかったため,翌朝まで維持液1,000mLを輸液しながら経過観察することにした。 翌朝の診察時,意識状態は再度悪化し意思疎通が取れなくなっていた。バイタルサインは正常である。血液生化学所見: 血糖82mg/dL,Na 112mEq/L,K 3.9mEq/L,Cl 78mEq/L。CRP 0.3mg/dL。動脈血ガス分析の結果は正常。 緊急で行った頭部CTで異常を認めない
  輸液を見直すとともに,行うべき対応はどれか

正解
e
国試正答率
80%

補助線モードの解説:

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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