問題番号 : 112F51

日齢0の新生児。母親は42歳,1回経妊1回経産婦。妊娠19週の胎児超音波検査で脳室拡大,小脳低形成,心奇形が認められた。妊娠37週に骨盤位のため帝王切開で出生した。出生後から自発呼吸が微弱であり,人工呼吸管理を施行した。身長41.5cm(-2.42 SD),出生時体重1,528g(-3.72 SD),頭囲31.5cm(-0.83 SD)。体温36.1℃。心拍数144/分,整。血圧60/30mmHg。四肢末梢に軽度の冷感を認める。大泉門は平坦,軟で,2×2cmと開大している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。腸雑音は弱い。筋緊張は弱い。外性器は男性型である。胸部エックス線写真で心胸郭比58%であった。頭部,手および足の写真を別に示す。
 考えられる疾患はどれか。

正解
c
国試正答率
81%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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