問題番号 : 112E41

3歳の男児。発熱と下肢痛とを主訴に両親に連れられて来院した。1か月前に左足をひねって疼痛を自覚した。その後右下肢の疼痛も訴えるようになった。2週間前に38℃台の発熱が出現し,両下肢の疼痛も増強した。かかりつけ医を受診して抗菌薬を内服したが,発熱が持続している。身長103cm,体重17kg。体温37.5℃。脈拍128/分,整。血圧106/70mmHg。皮膚に紫斑を認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。表在リンパ節は触知しない。下肢に関節腫脹や可動域制限を認めない。血液所見:赤血球402万,Hb 11.1g/dL,Ht 33%,網赤血球1.8%,白血球3,400(桿状核好中球3%,分葉核好中球8%,好酸球1%,単球4%,リンパ球84%),血小板6.0万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL,アルブミン4.4g/dL,総ビリルビン0.3mg/dL,直接ビリルビン0.1mg/dL,AST 27U/L,ALT 19U/L,LD 741U/L(基準335~666),ALP 456U/L(基準307~942),CK 60U/L(基準59~332),尿素窒素10mg/dL,クレアチニン0.3mg/dL,尿酸5.5mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 101mEq/L,Ca 11.0mg/dL,P 6.0mg/dL。CRP 1.2mg/dL。両下肢エックス線写真で異常を認めない。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
 可能性が高い疾患はどれか。

正解
c
国試正答率
83%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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