問題番号 : 112D53

65歳の男性。糖尿病の教育入院中である。 退院予定日の午前4時に突然の前胸部痛を自覚し,30分程度我慢したが症状が持続するため,病棟スタッフに訴えた。これまでに同様の症状を自覚したことはない。60歳時から糖尿病に対し経口糖尿病薬で治療中である。家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温36.6℃。 心拍数104/分,整。血圧160/94mmHg。呼吸数20/分。SpO2 94%(room air)。心雑音はないが, 奔馬調律を聴取する。 呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。 直ちに記録した心電図を別に示す
  この患者に対する初期対応として適切でないのはどれか。

正解
d
国試正答率
98%

画像診断
上画像参照。
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る