問題番号 : 112D23

67歳の女性。根治的右腎摘除術後の治療効果の確認のために来院した。1年前に長径11cm大の右腎細胞癌と多発肺転移に対して,根治的右腎摘除術を受けており,術直後から肺転移巣に対してインターフェロンαの自己投与を週3回施行している。インターフェロン導入11か月後の治療効果の確認のため受診した。現在,他の疾患は認めていない。体温36.2℃。血圧132/84mmHg。尿所見:蛋白(-),糖(-),沈渣に赤血球1~5/1視野,白血球1~5/1視野。血液所見:赤血球420万,Hb 12.8g/dL,Ht 41%,白血球3,900,血小板17万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL,アルブミン3.8g/dL,総ビリルビン1.1 mg/dL,AST 34U/L,ALT 36U/L,LD 176U/L(基準176~353),γ-GTP 38U/L(基準8~50),尿素窒素20mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,尿酸7.1mg/dL,血糖96 mg/dL,Na 137mEq/L,K 3.9mEq/L,Cl 104mEq/L。CRP 0.1mg/dL。心電図に異常を認めない。11か月前と今回の胸部CTを別に示す。
 今後の治療として適切なのはどれか。

正解
b
国試正答率
86%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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