問題番号 : 112D16

2歳の女児。4日前から続く微熱のため母親に連れられて来院した。既往歴に特記すべきことはない。在胎39週,出生体重2,602gで出生した。身長82cm,体重9.3kg。体温37.8℃。脈拍112/分,整。血圧88/48mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左上腹部に表面平滑で境界明瞭,可動性のない径8cmの腫瘤を触知するが圧痛はない。尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-),沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球428万,Hb 11.1g/dL,Ht 34%,白血球12,600,血小板58万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dL,総ビリルビン0.2mg/dL,AST 35U/L,ALT 9U/L,LD 589U/L(基準334~742),尿素窒素7mg/dL,クレアチニン0.2mg/dL,尿酸2.7mg/dL,Na 141mEq/L,K 3.9mEq/L,Cl 104mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.4mg/dL,NSE 169ng/mL(基準10以下),α-フェトプロテイン〈AFP〉2.5ng/mL(基準10以下),尿中バニリルマンデル酸〈VMA〉96μg/mgCr(基準6~11)。腹部単純CT(A)と胸腹部造影CT(B)とを別に示す。
 最も考えられるのはどれか。

正解
a
国試正答率
89%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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