問題番号 : 112C62

本問は,112C60~62の連問の一部です。

 15歳の男子。通っている学習塾の講師が肺結核と診断されたため,保健所からの結核接触者検診の指示を受けて受診した。
現病歴:2週間前から微熱と咳嗽が続いている。痰が絡む咳嗽が1日中持続している。
既往歴:特記すべきことはない。
予防接種歴:BCG接種歴あり。
家族歴:父と母との3人暮らし。家族内に他に咳嗽のある者はいない。
現 症:意識は清明。身長166cm,体重56kg。体温37.6℃。脈拍72/分,整。血圧124/62mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に発赤を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球472万,Hb 13.5g/dL,Ht 39%,白血球7,400(①分葉核好中球56%,好酸球1%,リンパ球43%),血小板24万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dL,アルブミン3.8g/dL,総ビリルビン0.6mg/dL,AST 26U/L,ALT 13U/L,LD 228U/L(基準176~353),γ -GTP 12U/L(基準8~50),尿素窒素11mg/dL,クレアチニン0.3mg/dL,血糖96mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 102mEq/L。CRP 0.8mg/dL。②結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉は陽性③喀痰塗抹Ziehl-Neelsen染色でGaffky 3号④喀痰結核菌PCR検査は陽性。胸部エックス線写真で異常を認めない。⑤胸部CTで右下肺野に小葉中心性の粒状影を認める

 臨床経過と検査所見から肺結核と診断した。
 この患者に対する標準治療として使用しないのはどれか。

正解
e
国試正答率
98%

Assessment
①通っている学習塾の講師が肺結核と診断 ⇒ 結核菌は空気

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る