問題番号 : 112C30

78歳の女性。夕食後に腹痛が出現し,次第に増強したため救急車で搬入された。43歳時に卵巣嚢腫摘出術を受けている。体温38.0℃。心拍数120/分,整。血圧116/66mmHg。SpO2 98%(鼻カニューラ1L/分 酸素投与下)。腹部は膨隆し,下腹部に圧痛と筋性防御とを認めた。腹部造影CTで絞扼性イレウス及び汎発性腹膜炎と診断され,緊急手術を行うことになった。手術室入室時,体温38.0℃。心拍数124/分,整。血圧90/54mmHg。SpO2 100%(マスク6L/分 酸素投与下)。麻酔導入は,酸素マスクによって十分な酸素化を行いつつ,静脈麻酔薬と筋弛緩薬とを投与後,陽圧換気を行わずに輪状軟骨圧迫を併用し迅速に気管挿管を行う迅速導入とした。
 下線に示すような麻酔導入を行う目的はどれか。

正解
a
国試正答率
53%

Assessment
①夕食後に腹痛出現 ⇒ 腹痛のため消化管蠕動運動は抑制さ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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