問題番号 : 112B29
1歳10か月の男児。咳と喘鳴とを主訴に母親に連れられて来院した。昨日歩きながらピーナッツの入った菓子を食べていた時に,急にむせ込んで咳をし始めた。本日も咳が持続し喘鳴が出現したため受診した。体温36.7℃。脈拍108/分,整。呼吸数30/分。SpO2 98%(room air)。吸気時と呼気時の胸部エックス線写真を別に示す。 この患児にまず行う処置として正しいのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。