問題番号 : 112A64

55歳の男性。胸痛を主訴に来院した。1週間前から左下の歯痛を自覚していた。痛みは徐々に増強し,3日前から痛みが頸部へ広がり,2日前に胸痛も出現したため受診した。意識は清明。体温37.5℃。脈拍96/分,整。血圧98/62mmHg。呼吸数24/分。右胸部で呼吸音が減弱している。血液所見:赤血球482万,白血球14,500(桿状核好中球32%,分葉核好中球54%,単球5%,リンパ球9%),血小板11万。血液生化学所見:AST 61U/L,ALT 69U/L,尿素窒素27mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL。CRP 36mg/dL。縦隔条件の頸部CT(A),胸部CT(B)及び矢状断再構成CT(C)を別に示す。
 治療として適切なのはどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
95%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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