問題番号 : 112A63

57歳の男性。食欲不振と肝機能障害のために入院中である。20歳台から連日日本酒3合を飲んでいたが,仕事に支障をきたすことはなかった。3年前から飲酒量がさらに増加し,毎日5合以上飲むようになった。1週間前から全身倦怠感を自覚し,仕事を休み始めた。それでも飲酒を続けていたが,3日前に著しい食欲不振で食事を摂れなくなったため外来受診し,血液検査で肝機能障害が認められて入院することになった。入院時から夜間不眠があり,入院2日目から落ち着きなく歩き回り,夜間には「動物が壁を這っている」と訴えて不穏になった。このとき手指の粗大な振戦および著明な発汗がみられ,自分が入院していることが分からない様子であった。入院時の頭部CTで異常を認めなかった。
 まず投与すべき薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
84%

Assessment
①57歳の男性 ⇒ 中年期男性
②20歳台から連日日本酒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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