問題番号 : 112A51

16歳の男子。呼吸困難のため救急車で搬入された。本日,昼食にパンを食べた後,体育の授業で長距離走をしている最中に全身の痒み,蕁麻疹と呼吸困難が出現したため,養護教諭が救急車を要請した。学校の部活動でサッカーをしているが,練習中や試合中に同様の症状を呈したことはない。また昼食で食べたパンはこれまでにも頻繁に食べているが,同様の症状を呈したことはない。意識は清明。心拍数102/分,整。血圧92/62mmHg。呼吸数24/分。SpO2 99%(マスク5L/分 酸素投与下)。前胸部に膨疹を認める。喘鳴を聴取する。適切な治療の後,症状は改善した。
 この患者の今後の生活指導として適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
99%

Assessment
①パン摂取と長距離走の組合せでアレルギー症状が生じている

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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