問題番号 : 112A42

27歳の女性。突然起こる動悸や息苦しさを主訴に来院した。約1か月前,出勤時の電車内で突然,動悸と冷や汗が出始め次第に呼吸が荒くなり,「このまま窒息して死んでしまうのではないか」という恐怖感に襲われた。途中の駅で電車を降りたところ,症状は約10分で軽快した。以後も電車の中と自宅で1回ずつ同様の症状があった。心電図を含めた精査を行ったが,異常を認めない。どのような場所にいても「また症状が起きるのではないか」という心配が続いている。
 このような心配が持続する症状はどれか。

正解
e
国試正答率
99%

Assessment
①突然起こる動悸や息苦しさ…出勤時の電車内で突然,動悸と

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る