問題番号 : 112A24

69歳の男性。全身倦怠感と食欲不振とを主訴に来院した。2年前に進行胃癌のため胃全摘術を受けた。その後受診をしなかったが,3か月前から倦怠感を自覚し,最近食欲不振が増強して食事摂取量が平常時の1/3以下となったため,不安になり受診した。身長170cm,体重45kg。体温36.2℃。脈拍80/分,整。血圧130/70mmHg。呼吸数14/分。胸部エックス線写真で多発肺転移を認め,腹部CT及び超音波検査で多発肝転移と軽度の腹水貯留とを認めた。悪心,嘔吐,呼吸困難および疼痛を認めず,患者と家族は在宅医療を希望している。
 今後の方針として適切なのはどれか。

正解
d
国試正答率
80%

Assessment
①倦怠感と食欲不振
②胃癌,肺・肝転移 ⇒ 癌終末期

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る