問題番号 : 112A21

78歳の男性。4日前に肺癌のため右上葉切除術およびリンパ節郭清術を受けて入院中である。術後経過は順調だが,胸腔ドレーンはわずかな空気漏れがあり排液はやや血性のため留置している。昨日からせん妄症状がみられている。本日午後9時に患者は就寝していたが,2時間後には覚醒しており胸腔ドレーンが抜けていた。呼吸音に変化はみられず,直ちに胸部エックス線撮影を行ったが,日中に撮影した画像と比較して変化はみられない。SpO2 99%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)であり,胸腔ドレーン抜去前と比較して低下はみられない。
 行うべき処置はどれか。

正解
b
国試正答率
82%

Assessment
①78歳 ⇒ 高齢
②肺癌で,4日前に右上葉切除およびリ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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