問題番号 : 112A18

54歳の女性。持続する腰痛,胸郭変形および諸検査の異常のため来院した。2年前から腰痛があり,自宅近くの整形外科医院で非ステロイド性抗炎症薬を処方されていたが痛みは持続し,半年前から胸郭が変形し身長が12cm低くなった。最近,腰痛が増悪し,歯の痛みや全身のしびれ感も出現したために,血液検査とエックス線撮影が施行されたところ,骨折線を伴う著明な骨変形を含む多数の異常を指摘され紹介されて受診した。身長138cm,体重40kg。体温36.5℃。脈拍84/分,整。血圧150/96mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は湿潤しており,う歯を多数認める。表在リンパ節に腫大を認めない。胸郭は変形と陥凹が著明である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。脳神経に異常を認めない。上肢の筋力は正常だが,体幹と下肢の筋力は痛みのために低下している。腱反射は下肢で減弱している。血液所見:赤血球412万,Hb 13.5g/dL,白血球5,800,血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL,アルブミン4.5g/dL,総ビリルビン0.7mg/dL,AST 21U/L,ALT 15U/L,ALP 1,725U/L(基準115~359),γ-GTP 10U/L(基準8~50),尿素窒素14mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,Na 144mEq/L,K 4.7 mEq/L,Cl 109mEq/L,Ca 8.7mg/dL,P 0.9mg/dL。CRP 0.1mg/dL。
 考えられるのはどれか。

正解
a
国試正答率
67%

Assessment
①2年前からの腰痛
②胸郭変形と12cmの身長低下 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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