問題番号 : 112A17

62歳の男性。胸部食道癌の術後に人工呼吸から離脱できず,アンピシリンの投与を受けていた。術後3日目の朝,39.1℃の発熱と喀痰増加がみられ,胸部エックス線写真で右下肺野に新たな浸潤影を認めた。血液および喀痰培養を行い抗菌薬を変更したが,術後4日目になっても39℃を超える熱が持続している。培養検査の結果はまだ判明していない。
 この時点の対応として適切でないのはどれか。

正解
d
国試正答率
89%

Assessment
①人工呼吸器からの離脱困難によりアンピシリンの使用 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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