問題番号 : 111I62

71歳の女性。体重減少を主訴に来院した。この2か月間で体重が2kg減少している。食欲は正常で全身倦怠感はないという。3週間前から両下肢のむくみを自覚している。身長150cm,体重48kg。体温36.2℃。血圧136/84mmHg。尿所見:蛋白(-),糖(-),沈渣に赤血球10~20/1視野,白血球5~10/1視野。血液所見:赤血球380万,Hb 11.2g/dL,Ht 38%,白血球6,700,血小板17万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL,アルブミン3.7g/dL,総ビリルビン1.1mg/dL,AST 31U/L,ALT 38U/L,LD 412U/L(基準176~353),尿素窒素28mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,尿酸6.4mg/dL,血糖96mg/dL,Na 137mEq/L,K 4.3mEq/L,Cl 114mEq/L。CRP 0.2mg/dL。胸部CTで異常を認めない。腹部造影CTの水平断像(A)と画像再構成による冠状断像(B)とを別に示す。腹部臓器とリンパ節とに転移を認めない。
 この患者に対する適切な治療はどれか。

正解
a
国試正答率
83%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る