問題番号 : 111F28

本問は,111F28~29の連問の一部です。

 62歳の男性。右下肢の痛みを主訴に来院した。
現病歴:半年前から散歩の際に右下肢の疲れやすさを自覚していた。1か月前から15分程度の平地歩行で右下肢の痛みが出現するようになった。しばらく立ち止まっていると痛みが軽快して再び歩くことができた。様子をみていたが同様の症状が続くため受診した。
既往歴:45歳から高血圧症,脂質異常症および高尿酸血症。55歳から心房細動。57歳から逆流性食道炎。アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬,スタチン〈HMG-CoA還元酵素阻害薬〉,尿酸排泄促進薬,抗凝固薬およびプロトンポンプ阻害薬を処方されている。
生活歴:喫煙は30本/日を42年間。飲酒はビール500mL/日を42年間。営業職で外食が多い。
家族歴:父親が82歳で大動脈瘤破裂。母親が84歳で脳梗塞。
現 症:意識は清明。身長172cm,体重82kg。体温36.2℃。脈拍92/分,整。血圧は右上腕で142/92mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。両頸部および両鎖骨上部に血管雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。腸雑音を聴取する。腹部大動脈の拍動を触知しない。両鼠径部に血管雑音を聴取しない。四肢末梢に皮膚潰瘍を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),ケトン体(-),潜血(-)。血液所見:赤血球537万,Hb 17.4g/dL,Ht 54%,白血球6,300,血小板22万,PT-INR 2.1(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL,アルブミン3.8g/dL,総ビリルビン1.0mg/dL,直接ビリルビン0.3mg/dL,AST 26U/L,ALT 18U/L,LD 182U/L(基準176~353),ALP 320U/L(基準115~359),γ -GTP 142U/L(基準8~50),CK 120U/L(基準30~140),尿素窒素22mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,尿酸7.2mg/dL,血糖108mg/dL,総コレステロール278mg/dL,トリグリセリド356mg/dL,HDLコレステロール48mg/dL,Na 140mEq/L,K 3.9mEq/L,Cl 98mEq/L。
 この患者の四肢の収縮期血圧と考えられるのはどれか。

正解
c
国試正答率
96%

Assessment
①半年前からの歩行時の右下肢の疲れ ⇒ 慢性の経過
②1

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る