問題番号 : 111E58

日齢0の新生児。経腟分娩で出生した。在胎39週3日,出生体重は3,160gであった。分娩中に胎児心拍数陣痛図で遷延一過性徐脈が繰り返し出現していた。出生1分後の時点では全身にチアノーゼを認め,心拍数80/分,呼吸は不規則であった。刺激に対して顔をしかめるが全身がだらりとしていた。バッグバルブマスクを使って蘇生を行ったところ,出生5分後までに全身がピンク色になり,心拍数140/分,刺激で強く泣き,四肢をよく動かしていた。
 この児の出生5分後の所見に基づく判断について,適切なのはどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
93%

Assessment
①在胎39週3日 ⇒ 正期産児であるので,新生児呼吸窮迫

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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