本問は,111B59~61の連問の一部です。
63歳の男性。吐血のため救急車で搬入された。
現病歴:2年前から食後に心窩部痛を感じていたが,多忙であったために医療機関を受診していなかった。最近になって,常に心窩部不快感があり食欲低下と全身倦怠感とを感じるようになった。2日前に便が黒いことに気付いたが,今朝,排便後に真っ赤な血を大量に吐いたため救急車を要請した。
既往歴:50歳ごろに脳梗塞。抗血小板薬を処方されている。
生活歴:喫煙は20本/日を43年間。飲酒は焼酎1合/日を38年間。
家族歴:父親が胃癌。母親が高血圧症。
現 症:意識は清明。身長168cm,体重72kg。体温36.3℃。心拍数96/分,整。血圧98/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様だが眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,心窩部に軽度圧痛を認める。表在リンパ節を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球276万,Hb 8.7g/dL,Ht 28%,白血球6,400,血小板28万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL,アルブミン3.4g/dL,総ビリルビン0.8mg/dL,AST 45U/L,ALT 56U/L,LD 344U/L(基準176~353),ALP 322U/L(基準115~359),γ-GTP 87U/L(基準8~50),アミラーゼ120U/L(基準37~160),CK 78U/L(基準30~140),尿素窒素28mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,尿酸6.3mg/dL,血糖108mg/dL,HbA1c 5.8%(基準4.6~6.2),総コレステロール250mg/dL,トリグリセリド190mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 100mEq/L。上部消化管内視鏡像を別に示す。
治療として適切なのはどれか。