問題番号 : 111B57

本問は,111B56~58の連問の一部です。
本問は,複数の選択肢が正解として採点された。

 72歳の女性。発熱,咽頭痛および咳嗽を主訴に来院した。
現病歴:2日前から37℃台の発熱,咽頭痛および咳嗽が出現した。風邪をひいたと考え市販の感冒薬を服用したが,内服後6時間程度で再び発熱したため受診した。咳をすると両側のこめかみと腰に軽度の痛みを感じる。腹痛と下痢はない。
既往歴:45歳時に胆石症と胆嚢炎とで手術。60歳から変形性腰椎症と骨粗鬆症とで総合病院の整形外科を定期受診している。
生活歴:40歳まで縫製工場で工員,その後65歳まで同工場の給食調理。現在は家族の炊事を担当するとともに,地域のボランティア活動などに参加している。夫,娘夫婦および11歳と6歳の孫の6人家族。喫煙歴はないが夫が喫煙者。飲酒は機会飲酒。ペットは飼っていない。海外渡航歴はない。
現 症:意識は清明。身長154cm,体重68kg。体温37.3℃。脈拍80/分,整。血圧126/62mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は軽度に汗ばんでいる。両側の眼瞼結膜と咽頭後壁とに発赤を認める。後鼻漏を認める。両側の下顎角直下のリンパ節に軽度の圧痛を認める。項部硬直を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。頭頸部,体幹および四肢に皮疹を認めない。両側下腿に軽度の圧痕を残す浮腫を認める。
 この患者の病態を検討するのに,有用な所見が得られる可能性が高い身体診察はどれか。3つ選べ

正解
なし、または複数パターンの正解あり
国試正答率
68%


本問は,複数の正解があるため,複数の選択肢が正解として採点された。


Asse

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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