問題番号 : 111A56

50歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。農業用の共同管理小屋の近くで倒れているのを近所の人が発見し,救急車を要請した。最近,うつ傾向のため自宅近くの医療機関を受診していたという。農作業に従事しており,一人暮らしである。意識レベルはJCSⅡ-20。身長165cm,体重60kg。体温36.0℃。心拍数44/分,整。血圧98/56mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤を認めない。骨格筋の線維束攣縮を認める。腹部に異常を認めない。尿所見:淡黄色透明,蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球480万,白血球6,200,血小板30万。血液生化学所見:アルブミン4.6g/dL,総ビリルビン0.8mg/dL,AST 28U/L,ALT 35U/L,LD 310U/L(基準176~353),ALP 200U/L(基準115~359),γ-GTP 25U/L(基準8~50),コリンエステラーゼ0U/L(基準400~800),アミラーゼ45U/L(基準37~160),CK 20U/L(基準30~140),クレアチニン1.0mg/dL。動脈血ガス分析(room air):PaCO2 40Torr,PaO2 98Torr,HCO3 24mEq/L。
 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ

正解
d, e
国試正答率
96%

Assessment
①50歳の男性,農業用の共同管理小屋の近くで倒れていた

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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