問題番号 : 110I66

67歳の女性。発熱と咳とを主訴に来院した。1週前から発熱と咳が出現し,徐々に悪化してきたため受診した。末梢性T細胞性リンパ腫にて3回目の化学療法を3週前に終了している。リンパ腫による両側の頸部と鼠径部とに小指頭大のリンパ節を数個ずつ認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。SpO2 96%(room air)。血液所見:赤血球401万,Hb 10.7 g/dL,Ht 39%,網赤血球1%,白血球7,100(桿状核好中球26%,分葉核好中球56%,好酸球1%,単球2%,リンパ球15%),血小板15万。血液生化学所見:AST 46 IU/L,ALT 41 IU/L,LD 498 IU/L(基準176~353),KL-6 1,402 U/mL(基準500未満)。免疫血清学所見:CRP 2.7 mg/dL,β-D-グルカン340 pg/mL(基準10以下),アスペルギルス抗原陰性,カンジダ抗原陰性。喀痰の細菌培養陰性,喀痰ニューモシスチス陽性。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
 治療薬として適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
99%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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