問題番号 : 110I60

58歳の女性。入院中に突然の呼吸困難と左前胸部痛とを訴えた。3日前に自宅火災で下半身にⅡ度20%の熱傷を負い,ベッド上で治療を継続していた。今朝,突然,呼吸困難と左前胸部痛が出現した。意識は清明。身長152 cm,体重68 kg。体温36.1℃。脈拍112/分,整。血圧110/76 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 88%(room air)。胸部の聴診でⅡ音の亢進を認め心雑音は聴取しない。呼吸音に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図は,心拍数120/分の洞性頻脈以外には明らかな異常を認めない。SpO2は直前まで98%であった。
 確定診断のために最も有用な検査はどれか。

正解
c
国試正答率
96%

Assessment
①入院中に突然の呼吸困難 ⇒ 急性発症の呼吸困難
②左前

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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