問題番号 : 110I55

78歳の男性。腎細胞癌術後の経過観察のため来院した。3年前に別の医療機関で左腎細胞癌に対して根治的左腎摘除術を受けている。以後,6か月ごとに胸腹部のCT検査を受けていた。6か月前の胸部CTで右肺に直径9 mmの単発性の腫瘤を指摘されたが担当医との相談で3か月ごとの経過観察となった。3か月前の胸部CTでは変化を認めない。1か月前に転居し,今回定期検査のために紹介されて受診した。自覚症状を認めない。体温35.9℃。血圧128/84 mmHg。尿検査に異常を認めない。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。CRP 0.1 mg/dL。診療情報提供書に添付された3か月前の胸部CT(A)と今回の胸部CT(B)とを別に示す。胸部以外に新たな病変の出現を認めない。
 現時点の対応として適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
96%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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