問題番号 : 110I52

62歳の男性。発熱を主訴に来院した。統合失調症のため30歳ころから精神科病院に入退院を繰り返し,ハロペリドール,ゾテピン及びニトラゼパムを服用している。昨日から40℃の発熱と高度の発汗があり心配した家族に付き添われて受診した。家族によれば普段より反応が鈍いという。持参した昨年の健康診断の結果でクレアチニンは0.7 mg/dLであった。来院時,意識レベルはJCSⅡ-10。身長168 cm,体重61 kg。体温39.0℃。脈拍112/分,整。血圧150/82 mmHg。咽頭粘膜に発赤はなく,胸部に異常を認めない。腸雑音は低下している。筋強剛が強くみられる。尿所見:蛋白1+,潜血2+,沈渣に赤血球1~4個/1視野。血液所見:赤血球304万,Hb 9.5 g/dL,Ht 27%,白血球8,800,血小板13万。血液生化学所見:総蛋白6.5 g/dL,アルブミン3.6 g/dL,AST 225 IU/L,ALT 129 IU/L,LD 848 IU/L(基準176~353),CK 35,000 IU/L(基準30~140),尿素窒素53 mg/dL,クレアチニン2.5 mg/dL,Na 135 mEq/L,K 5.3 mEq/L,Cl 106 mEq/L。
 適切な対応はどれか。

正解
e
国試正答率
94%

Assessment
①抗精神病薬を服用している
②意識障害,発熱,筋強剛

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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