問題番号 : 110H24

32歳の女性。咳嗽と夜間の呼吸困難とを主訴に来院した。3か月前から夜間主体の咳嗽が出現し,夜間の呼吸困難も伴うようになったため,昼間に来院した。冷気の吸入や線香の煙によっても咳が誘発される。喫煙歴はない。意識は清明。体温36.5℃。脈拍76/分,整。血圧116/68 mmHg。呼吸数14/分。SpO2 97%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸音は呼気終末にwheezesを聴取する。血液所見:赤血球395万,Hb 13.6 g/dL,Ht 42%,白血球4,800(好中球63%,好酸球15%,単球5%,リンパ球16%),血小板18万。IgE 280 IU/mL(基準250未満)。CRP 0.1 mg/dL。胸部エックス線写真で異常を認めない。
 最も考えられる疾患はどれか。

正解
a
国試正答率
98%

Assessment
①咳嗽と夜間の呼吸困難 ⇒ 喘息様の症状
②冷気の吸入や

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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