問題番号 : 110H23

指導医,研修医および看護師の3人が救急外来で夜間当直中に,胸痛と呼吸困難とを訴える50歳の男性が搬入されてきた。研修医が心電図モニターの装着,静脈路確保などの処置を行っていたところ,患者が心肺停止状態となり,指導医が胸骨圧迫を開始した。心電図モニター上,心室細動を認めた。一時的な胸骨圧迫の中断のもと,研修医が150 Jで電気的除細動を行った直後,患者の傍らにいた看護師が突然,意識を消失して倒れた。研修医が確認したところ看護師の呼吸は停止し,脈を触知しなかった。
 この看護師の病態として,まず想起すべきなのはどれか。

正解
a
国試正答率
84%

Assessment
①研修医が電気的除細動を行った
②その直後患者の傍らにい

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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